本当にあった管理栄養士のお仕事の話し~外来編~

雑記

新卒で管理栄養士として就職した病院でのお話し。どこかの世界で本当にあった話。

外来編

正直、大学出たての管理栄養士なんて臨床のことなど全く分からない(病院実習はあったけど)
4年間大学で学んだことは何だったのかと現場で思い知る毎日。

その病院の外来患者さんへの栄養指導のスタイルは

血液等の検査→医師診察・栄養指導→会計

本来は、医師が栄養指導をするようオーダー ⇒ 管理栄養士が別室で栄養指導

という流れが普通のはずだが

私の勤務していた病院では、医師は栄養指導をオーダーしてくれない、

管理栄養士は栄養指導をしないと売上が出ない(診療報酬)

そのため管理栄養士が自ら医師の診察の合間を縫って患者さんを捕まえ栄養指導に導いていた。医師の診察と被ると診察優先。

街角のキャッチセールスのように、待合で患者さんを探し、栄養指導を提案。

医師から言われれば素直に応じてくれる患者さんも多いが、管理栄養士が直接行っても拒否されることも多い。

検査結果が出ないと栄養指導も診察も出来ないため、タイミングが難しい。

・当日の検査結果を見て前回と比較し課題を抽出
・持参された食事記録の栄養計算(コメント記載、カルテに記録、患者さんに返却)
・カルテから前回の指導内容を呼び出し今回までの課題を抽出
→までの準備を素早く行い患者さんを探しに行き栄養指導を提案、断られれば取った情報は無駄になる

初めの2~3回先輩に同行し患者さんへの栄養指導を見学、その後「じゃ、がんばって」と診察室に取り残される。
知らない人に話しかけるなんて苦手だし、たくさんの患者さんがいる待合室で患者さんに栄養指導を提案するなんて、ガラスのチキンハートな私には難易度高め。しかし1日の栄養指導件数目標値が設定されているため(新人だからって設定値低くしたりしない)やるしかない。

患者さんの情報をカルテから抽出していたら、課長がやってきて「何してるの患者さんあそこにいるじゃない、早く話しかけに行きなさい」

課長は歴15年、長年通院している人の顔と名前は覚えている。

私「でもまだ情報が取れてなくて・・・」
課長「どんだけ時間かかってるの、準備は3分でしなさい」
私「え・・・?」
当時の私(入社1~2か月くらい)にはどんなに頑張っても10分はかかる内容。

この課長、賢くて、頭の回転も速く、経験豊富、説明するのも、指摘するのも、叱るのも超早口、メモを取るのに必死
ぼさっとしてたら当然怒られる。悪い人じゃないけれど、今思えばちょっとパワハラ気質だった。あと超絶美女(超余談)。言葉遣いが汚い(超余談②)

余談③ 一度、資料の印刷を頼まれたとき
「パワポのスライド2ページを1ページに印刷」という指示通りに印刷したところ
パワポの印刷画面での設定方法とプリンターのプロパティ画面での設定方法の2通があったらしく、前者の設定で印刷して提出したら
「はぁ?これじゃねーよ」とがガチギレされた時は理不尽さを感じました。
(心の声:自分の指示不足じゃない?見た目が少し小さくなるだけよ、そんなに怒ることかな。)

一方の私、理解できれば目の前の仕事をこなすのは得意。でも分からないことを早口で説明されても脳みその処理能力が追い付かずフリーズ
考えているうちに相手にはぼーっとしているように見えるらしい。

新卒のペーペー栄養士に指導されるような内容なんてベテラン栄養士から何度も聞いて、私なんかよりはるかに知識がある患者さんも多い。

課長に怒られながら、
患者さんには嫌な顔をされながら
お昼ごはんも食べずに常に緊張状態のまま過ごす日々。。

こんな「習うより慣れろ」的な指導法とは思わなかったけどしょうがない。
これがあったからその後いろいろ頑張れたのも事実ではある。肯定はしないけれど。

毎日帰り道、車の中で(車通勤)泣きながら帰宅、涙を止めて家に入る(当時実家暮らし)日々。

泣いているのは悲しいからではなく、悔しいからで
あの人(課長)の15年を私は3年で越えてみせると当時は意気込んでいました。(後々結局3年弱で辞めちゃったけど)

大したことではないけれど毎日、自宅でその日のメモをきれいに清書し直して、1度言われたことは2度目からちゃんとできる様に復習。

そんなこんなで半年後には「つまんない、飽きた」と思う状態まで慣れたので、スパルタ教育も無駄ではなかったよう。

管理栄養士の仕事~厨房編~に続く。

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