インドで現地採用として働くこと

インド現地採用

こんにちはインドの首都デリー近郊で現地採用として働いているKonorikoです。

今日は現地採用って実際どうなの?というお話をしていきます。

海外就職、インド就職に興味のある方の参考になれば幸いです。

今回の話は北インド・デリー・グルガオンで働いている私の経験談を交えてのお話になります。
インドの国土は328.7万km²で日本の約9倍です。一つの国と言っても北は冷帯、南は熱帯まで幅広い気候があり民族、宗教、言語も多様なので都市によって生活環境は全く異なります。

 

インド現地採用メリット

インドで現地採用で働くことのメリットはいくつかあります。

インドで働きながら暮らせる

「インドが好き」「インドで暮らしたい」「海外で働きたい」「海外で暮らしたい」という方にとってはインドで働きながら暮らせることはメリットになります。

昔旅行で来て気に入った。インド舞踊が好き。インド映画が好き。ヨガをやりたい。アーユルヴェーダに興味がある。などなど様々な理由でインドに住みたいと思って来ている人も多いです。

他のアジア諸国より最低賃金が高め

現地採用で働く場合「就労ビザ」を取得し現地で給与をもらいながら働くことになります。

この就労ビザ発給のための基準給与というのがそれぞれの国で定められています。

外国人に対する最低賃金は国によって違います。

物価が低い国は最低賃金も低い傾向にありますが、インドは他のアジア諸国に比べ最低賃金は高めになっています。

インドでは年収ベースで1,625,000ルピー以上の報酬がないとビザが取得できない、という規定があります。(1ルピー=1.54円 2022年2月7日現在 なので年収約250万円ということになります)

これはインド人のマネージャークラスの給与になります。

就労ビザの取得に大卒資格や就労経験が不要

国によっては就労ビザの取得要件に大卒資格や社会人経験を求める国もありますが、インドでは学歴や経験年数の制限がありません。

サバイバル能力が身に付く

インドに住んでいると、鳴りやまないクラクション、夏は灼熱、冬は大気汚染、物乞い、ぼったくり、牛渋滞・・・・などなど日々いろんなことが起こります。生活するだけでもハード、そこで仕事をするとなるとさらにいろいろなことがあります。そんなインド生活・勤務をこなすうち、あなたのサバイバル能力はどんどん高くなっていきます。日本に帰るとなんでもスムーズに事が進み驚くでしょう。

これはデメリットとも言えますが、物事は表裏一体、その経験は必ず財産になると思います。

インド人と仕事をする経験が得られる

インド人と仕事をする経験はこれからの世界を生きていく上で役に立つでしょう。

インドの人口約13億人、そのうち中国を抜き世界一になると予想されています。

優秀なインド人はインドを飛び出し世界各国で活躍しています。

そんなグローバル社会で生きていくためにインドでインド人と仕事をした経験は必ず生きてきます。

英語力がアップする

インドの第二公用語は英語です。

現地採用として働く職場では共通言語として英語が用いられている会社がほとんどです。

英語がもともとそんなに出来なくても採用してくれる会社もありますし、入ってからは必然的に英語に触れる機会が増えますので多かれ少なかれ英語力はアップしていくでしょう。もちろん

本人の努力次第で成長度合いは変わってきます。

インド現地採用デメリット

駐在に比べ待遇・給与はかなり低い

駐在員というのは会社からの命令で海外の支店に派遣されている人のことです。会社の命令で来ていることもあり給与と手当はかなり高いです。

日本の給与+現地の給与という給与ダブル取りに加え、住宅、車、帰国費用、医療保険などなどすべて会社が負担してくれるので現地の支出も抑えられます。

特にインドはハードシップ手当が他の国に比べて高い傾向にあるようです。数年インドで駐在員をやって帰国すると家が建てられるという話はよく聞きます。

現地採用と駐在員の待遇面の比較は以下です。
※会社によって差はあります。

駐在員現地採用
日本の給与ありなし
現地の給与ありあり
住宅手当全額会社負担ほぼ無し
引っ越し費用全額会社負担なし
運転手付きの車ありほぼ無し
日本一時帰国費用年1~3回年0~1回
現地医療保険全カバー入院のみあり
日本の年金会社負担なし
日本の社会保険会社負担なし

クビになるリスクがある

現地採用は現地のインド人の平均給与よりも高い給与で雇われるため会社の業績等によっては解雇の対象になりやすいです。もちろん会社によりますが、今回の新型コロナウィルスの影響で解雇になった方や減給になった方もいます。

日本の社会保険に非加入

インドに限らず海外現地採用で働く際は日本の社会保険に加入しないため、失業の際に失業保険がもらえなかったり、社会保険の恩恵にあずかれません。

インド人と日本人の間で板挟み

インド人の平均給与よりは高給なためインド人からのプレッシャーが大きかったり、日本人サイドからは日本と同じサービスの質を求められたり、立ち位置として辛い場面も多いです。

食事が合わないと辛い

インドではインド料理以外も食べれますが、インド料理以外の価格は少し高めです。

3食インド料理で平気な人はかなり節約できますが、3食はキツイなぁという方が多いのではないでしょうか。インドで食べるインド料理は日本のインド料理屋のインド料理とは違います。

個人的な感想としては「脂っこい。塩気がつよい。」という感じで3食食べると健康に良くなさそうだなぁと思いました。スパイスが使われている料理が多いので好きな人と合わない人がかなり分かれるのではないかと思います。

また衛生面もアジアの他の国と比べるとまだまだ心配な面も多く屋台のごはんなどではお腹を壊す人も多いでしょう。

私は何でも食べれるのですが、インドに来て何故かカレーを好む機会が減りました。。。

体調を崩しやすい

健康優良児な筆者自身もインドで謎の体調不良に見舞われました。

冬の大気汚染で声が出なくなったり(人生初の声が出なくなるという経験でした)、謎の熱が数日続いたり、心当たりのない下痢で1週間苦しんだりなどなど。

他にもデング熱、狂犬病など様々な病気のリスクが日本より圧倒的に高いです。

夏は50度、冬は10度以下の気温や、乾季、雨季など慣れない環境に加え毎日インド人との闘いで疲弊する人も多いです。

インドだけでなく海外で暮らすというのは多かれ少なかれ大変。

インドだけでなく海外で暮らすというのは多かれ少なかれ大変です。

日本の常識は通用しませんし、いかに日本が便利で快適であったかを思い知ります。

住民票や納税などの生きるためのインフラ的な手続き等も日本とは勝手が違います。

それでも現地採用でインドに来た理由

ここからは完全に私の意見ですが、上記のデメリットを踏まえてもインドに来た理由は下記になります。

日本に居ても海外に出れるチャンスは巡ってこない。(巡ってくるか分からない。)

日本で働いていて海外に出ようと思ってもいつチャンスが巡ってくるかわかりません

さらに女性に海外駐在の声がかかるのはさらに稀です。

日本の会社の海外事業部にいる女性で「海外に行きたい」と希望を出していて経験的にも十分なのに指名されない。という話も聞いたことがあります。

行きたい国とタイミングを選べる

現地採用であれば自分が行きたい国に焦点を当てて就職活動ができますし、渡航のタイミングも自身でコントロールできます。この自由さが圧倒的なメリットだと思います。

 

日本で働きたくなかった

これは会社によるところはもちろんあると思いますが、日本の会社のあの独特の雰囲気というか、気を遣って疲れる感じというか、そういうものに嫌気がさしました。

話し方、メールの書き方、服装、などなど様々な【常識】と呼ばれるものに縛られ、

増え続ける高齢者と税金、減っていく給与と年金受給額、「働け」「納税しろ」「子供産め、育てろ」「女らしくいろ」

訳の分からないしがらみ、期待、義務、責務、それらに応えても待っているのは暗い未来。

そんな日本社会で働き、生きるということが嫌になりました。

インドは英語圏

海外で働くなら英語圏が良いなと思っていたのも理由の一つです。インドの第二公用語は英語なので、公的文書なども英語の物があるため生活はしやすいのではないかと思います。

成長している国で面白い

インドは発展途上国の中でも中国を凌ぐ勢いで経済成長を続けており、2050年には米国を抜き、世界で第2位の経済大国になるとの予想もあります。そんな国の中で経済発展を目の当たりにしながら働く経験は日本ではもう味わえません。

家賃や給与も毎年10%を目途に値上がりしていきます。

実際にインドで働いて暮らしてみての感想

実際にインドで働き、暮らしてみて驚いたのは思ったより街が発展していることです。

私が住んでいるGurgaonという街は特にですが、日本食レストランやショッピングモールがたくさんあり日本人もたくさん住んでいるため普段の生活には特に困りません。

グルガオンにあるオフィスビル。1階部分にレストランが入っている。

タクシーはUberアプリで呼べますし(だいたい10㎞で300~400円ほど)、人件費が安いので家の掃除などのハウスキーピングを外注しても安価で済みます。最近はネットでオーダーできるものが増え、日用品や食品も宅配で済むので日本にいたときより便利なんじゃないかと思っています。

治安は日本よりは良くないので最低限自身で気を付けなければいけませんが、気を付けていればある程度は大丈夫です。

 

大変なことと言えばインド人を相手に何かをしようとするとき、でしょうか。

例えば仕事では、何か仕事をお願いしても言われたことしかやらない、よくも悪くも「察する」、「言葉の裏を読む」ことがないのでキチンと指示を出す必要があります。「やってくれるうだろう」「理解しているだろう」と思うのは禁物で、何度も確認しリマインドし促しやっと仕事が進みます。インドに限らず海外で日本の常識は通用しない場面が多いですが、インドは特に独特というか、想像を超えた出来事が日々起こります。

大変な分、そんな中で生きていると、少々のことでは動じなくなり、良くも悪くも精神的に強くなっていきます。

インド人の「OK」「ノープロブレム」は信用できない、というのがインドの常識かもしれません(笑)

 

値段交渉の際も疲れます。「いくら?」と聞くと「いくらなら買うんだ?」と聞かれ、現地の相場が分からない間は苦労しました。

 

インドは多宗教、多言語、多民族の人々が暮らしています。それぞれの暮らし方、信念、信仰、歴史があり、その中でみんなが暮らしています。

だからなのか、”日本”というー民族ー言語の国から来た私には戸惑うことも多いですが、それ以上に「もっと自由に生きて良いんだな」と心が少し楽になった気がします。

「まじかよ」「ふざけるな」「くそ~」と思うことは多いですが、それもこれもひっくるめてインドは面白い国です。

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